「FF12」発売は来年度 スクウェア・エニックス方針

ゲームソフト大手のスクウェア・エニックスは19日、人気シリーズ「ファイナルファンタジー(FF)」の新作「FF12」の発売が来年度になるとの見通しを明らかにした。
FFのことはどうだっていいんですよ。問題は、この記事の最後の文。

FF12の発売時期について同社は当初「04年夏」としていたが、今年5月に「04年冬から05年春」と変更していた。高度化が進むゲームの開発期間が長引いている。

ゲーム業界の問題を指摘するのがこの文。
現在のゲーム業界は、既に過渡期を過ぎたと言われており、成熟市場となっていると言っていいだろう。全体的な売れ行きも下降気味である。これから少子高齢化が進むにつれて、さらに売り上げは減少するだろう。
一方で、開発コストは未だに増加傾向にある。一時ほどではないにせよ、ハードのパフォーマンスがパワーアップしたことにより、「いろいろ詰めたい」という技術者・開発者の気持ちを増幅させ、開発期間長期化の傾向が見られるようになっている。今回のFFも、おそらくそのような事情があったのだ、と見える。


FFのように、ヒットが約束されているゲームであればかまわないのだが、中途に開発に力を注いだゲームがヒットしなかったりすると、昔と違って会社へのダメージは大きくなるようになった。例えば、昨日04年9月中間期決算が発表されたナムコは、コンシューマ部門が振るわずに減収減益となっている。「ゼノサーガⅡ」という大作ゲームを投入したナムコだが、大作に見合う営業がなされたとは思えなかった。よって、ここでの戦略が尾を引いた形となったようだ。このように、「作れば売れる」時代も終わり、「大作を作れば売れる」時代も終焉を迎えたことから、各社厳しい戦いを迫られるようになっている。


技術の進歩≠ゲームの進歩ではない。ゲームとは、面白さを追求するものだ。面白さの新しい形を提案するニンテンドーDSが来月リリースされるが、さてどうなるだろう。