スライドタイプは普及するか

スライドボディの「D253i」、10月1日に発売
以前お伝えした、D253iの正式発売日が決定。ついに253シリーズが市場投入される。カメラスペックも弱いし、iアプリには対応していない、ロースペック機種。価格では安い部類に入ることは間違いないと予想される。


さて今回のこの253シリーズだが、”Myジャストケータイ”をコンセプトに作られている。意味はよくわからないが、D253iに限っては特徴的なスライド式の携帯端末になっている。スライド端末といえば三洋。Vodafoneで提供されている、V801SAV401SAが現在までに市場に出ているスライド端末である。
これまでに市場を席巻したストレート端末、続いて現れて現在の主流である折りたたみ式、それが進化したタイプのリボルバータイプ(SO505iや、A5502Kなど)があった。最近では液晶をターンさせるタイプも増えつつある。途中にはフル液晶のタッチパネル端末、フリップ式などの道も経ている。
そんな中、新たに登場したのがこのスライドタイプ。このスライドタイプは、折りたたみ式のメリットである「液晶サイズを大きくする」ということに加え、折りたたみ式よりもより簡単にキー入力を開始することができ、サブディスプレイを使用せずにメインディスプレイのみで情報確認をスムーズに行うことができるというメリットがある。しかも今回、このD253iはスライドを2段階にすることによって、状況に合わせた使用ができる。
ではこのスライドタイプはこれから普及するのだろうか。リボルバータイプが市場投入された時、流行るのか疑問があった。実際、リボルバータイプのパイオニア、京セラの最新端末W21Kは折りたたみ式に戻っている。そんな中、ソニーは現在もリボルバータイプを出し続けている。最初の端末SO505iは、あまりにも分厚すぎて使用しにくかった。しかし、SO505isSO506iと経る度、使い勝手は向上。ソニーお家芸ジョグダイアルを捨て、円状のディスクジョグを採用。デザイン性にも優れ、大変優秀な端末となった。
スタイドタイプ最初の端末、V801SAは私も使用したことがあったが、今までの端末の中で最低であったと断言できる端末だった。バグが大量にあり、電池が異常発熱、ソフトウェア動作が遅すぎ、分厚すぎ、と、いいところは「海外で使える」ことだけだった。何より、スライド式を採用したことで、「ボタンの押しにくさ」が格段に向上。なぜスライド式を採用したのか全く理解できなかった。
それから時を経て、V401SAが発売。触ってみたが、よくなっていた。が、買おうとは思わなかった。やはりV801SAのトラウマがあったからだろう。


今回のD253iは、カラーバリエーションの名前が「アズーロ」「ロッソ」「アウリーノ」と、お洒落なネーミングになっていることから、デザイン重視の端末であることが読み取れる。機能なんでなんでもいい、電話とメールができれば。という人は、おそらく安い価格になると思うので買うかもしれない。スライド式も、リボルバータイプと同じく「異端児」というパンの上に、使い勝手というジャムを塗れば、とりあえずお腹を膨らせたいという人が買う可能性はあるだろう。そしてこれから先普及するには、いかにおいしいジャムを塗るかにかかっている。